おもてなし!

                 letter from Shimanto
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四万十川での少年サッカーの練習の時」
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太郎が河川敷の練習場へ堤防から車で降りるとき、観光客の若い女性が「赤鉄橋」を撮影
している姿を見かけた。

そして…500mほど上流のサッカー場で練習に準備にかかっている時、その女性は自転車
を置いて徒歩で「遊歩道」を歩いて来た。四万十川の撮影スポットを探している様子だった。
太郎は子どもたちから離れて彼女に声を掛けた。

 太郎 「シャッター押しましょうか?」
 女性 「お願いします!」

と、一枚写真を撮った後…

 太郎 「記念にもう一枚!ちょっと待ってね!」
 女性 「…」

そこで太郎はホィッスルを鳴らす!すると子どもたちが30人ほど駆け寄って来る。

 子供 「どしたが?」
 太郎 「写真写すからそこへ並べ!」

すると…子供たちは状況把握の為に質問してくる。

 子供 「なんで?」
 太郎 「四万十川へ来た記念だよ!」
 子供 「なんで?」
 太郎 「四万十川は有名なんだぞ!」

 子供 「その人誰なが?先生の恋人?」
 太郎 「そうだよ!」

そう…という言葉が一番手っ取り早いと思ったが…

 子供 「うわぁー!」
 女性 「違う違う!違うわよ」   
 太郎 「そんなに強く何度も言わなくていいのに!」
 女性 「ごめんなさい!」

すると子供たちは我先にと中央へ並ぶから、小柄な女性の姿が隠れてしまって、
あたかも「子供の集合写真」になってしまう。

 太郎 「おーい!お前たちは後ろへ行け!」
 子供 「はーい!」

撮影会はそれで終わって彼女は旅を続けた。

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 「その後・・・」
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小学3〜4年生ともなると異性に興味が湧くのか、しきりと質問してくる。

 「好きなが?何歳なが?どこから来たが?…」

そこまでは適当に答えるが次の質問だけには正確に答えなければいけない。なぜなら今後の
彼らの生き方や、彼らの家庭内での小生の風評被害を考えれば真面目になる。

 「先生、奥さん居るがやろ!じゃったら浮気やんか!」
 「あの人はね…一人で旅行に来た人で写真を写しても自分が写つらないやろ?」
 「…」
 「シャッター押したげたら記念になるし、お前らが写ったら思い出になるやろが!」
 「…」
 「これを“おもてなし”と云うんや!」
 「そっか…東京の人なんやね!」
 「なんでや?」
 「サッカーはよやろ!」

かくして「シャッターマン・太郎」は自己満足の教育に酔ったのでした。

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 「お節介とお接待は同意語」
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彼女が旅を終えて「写真」を見た時…四万十川での楽しい時間と共に会話を思い出して
もらえたら”おもてなし”成功である!

四万十川には”リバーマスター・シャッターマン”が常駐しているのです!
taro410@adagio.ocn.ne.jp−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−